ねおでっど日記

間違いなくたぶん、個人の主観です

氷室京介の最高傑作は「MELLOW」

MELLOW

氷室京介「MELLOW」★★★★★

 

氷室京介がライブ活動から引退したのは記憶にも新しい。

今後はアルバムリリースなど楽曲の発表が活動の主体になってくるだろう。

そうなると、ライブ向けに作られたような「WILD AT NIGHT」のような曲はおよそ氷室自身の中では制作意欲として後退することは必至である。

 

そこで参考になるのが2000年に発表された「MELLOW」である。

ほぼ全編に渡ってメロウなラブソングで構成されたアルバムとして、ファンの間でも評価の高い作品だ。

勝手ながら私もこの作品が彼の最高傑作だと信じて疑わない。

なぜか。

 

まず、彼の音楽性を語る上で、日本と米国というホームグラウンドの違いを検証する必要がある。

氷室が米国に移住したのは1996年以降、つまりアルバムでは「I・DE・A」以降となる。(「MELLOW」はこの「I・DE・A」の次に発表された作品。)

 

渡米後は現地のサウンドに大きな影響受けながら楽曲の世界観が変貌していったことは言うまでもなく、それは「MELLOW」以降のアルバムを聴けば一目瞭然だろう。

それが果たして奏功したのかどうか、この点については議論となるので割愛するが、少なくとも音楽性はもちろん、彼の歌唱法も微妙に変化していったことも考えると、改めてキャリアの長さに敬服するばかりだ。

 

さて、渡米前に最も売れたアルバムは皆さんご存知「Memories Of Blue」。

前作「Higher Self」で構築したアーバン系J-Rockを見事に昇華させた内容だけに、BOOWY以降の「ヒムロック」を決定づけたアルバムと言ってもいいだろう。

 

このアーバン系というワードが氷室京介そのものを表しているように思う。

要するにサウンドや歌詞に泥臭さがなく、あくまでも都市夜景に馴染むような流麗な世界観、美辞麗句な歌詞、そしてメロウな美旋律、これらが相まってヒムロック的ナルシシズムの真骨頂となるのである。

(ちなみに「Memories Of Blue」では「YOU'RE THE RIGHT」というバラードがその役目を担っているが、この曲の存在があったからこそ、「MELLOW」という作品と線で繋がることとなる。)

 

もちろん、BOOWY解散後のソロデビューアルバムでもバラードは収録されているが、「DEAR ALGERNON」や「独りファシズム」は当時から違和感があった。

そう思ったのは私だけかもしれないが、こういう自己内観的な弾き語り系はあまり氷室らしくないとも感じていた。

その点「ALISON」の完成度は高く、やはりラブバラードを歌わせたらこの人の右に出る者はいないと、心酔した記憶がある。

(名曲「LOVER'S DAY」が生まれた背景に「ALISON」の存在は欠かせない。)

 

「MELLOW」が最高傑作であるという理由は以上の点に尽きる。

つまり、氷室流のアーバンなラブソング、これが凝縮しているからだ

前作の「I・DE・A」がビートロック中心だったため、氷室自身に反動というのもあったと思うが、私のような美メロファンにとっては大変嬉しい内容となったわけで、むしろバラードのみというアルバム構成に出来なかったのか、ここは大変悔やまれる部分である。

恐らく本人よりもレーベルの意向もあってこうしたチグハグな選曲となってしまったと思うが、今後はそういった外野の声に惑わされることなく、自身がやりたいようにやって欲しいと強く願う。

 

たとえそれが私の苦手な自己内観的な弾き語り系であっても、だ。

氷室京介という存在は未だ進化の途上にあると信じているし、「最新の氷室が最高の氷室」であることを再び証明して欲しいと思う。

 

最後に、私のお気に入りラブソングを選んでおいたので未聴の方は参考にして欲しい。

 

-氷室京介ベストラブソング-

5位:ダイヤモンドダスト(8th「MELLOW」収録)

4位:Believe(8th「MELLOW」収録)

3位:ALISON(1st「DEAR ALGERNON」収録)

2位:YOU'RE THE RIGHT(4th「Memories Of Blue」収録)

1位:LOVER'S DAY(各ベスト盤などに収録)

 

MELLOW

MELLOW

  • アーティスト: 氷室京介,森雪之丞,松井五郎,キム・ブラード,スティーブ・スティーブンス,ポール・バックマスター
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 2000/02/23
  • メディア: CD
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