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【特集】Vocal Tranceの隠れた名曲を紹介してみる②【2010年代】

それではお約束通り、Vocal Trance特集の第2弾をお届けします。

今回は2010年代を中心に、出来るだけオーセンティックな雰囲気の楽曲をピックアップ。

記事の趣旨的にも、EDMっぽい歌モノはあえて外しております。

一応、トランス系の隠れた名曲を紹介する企画ですので、何卒ご了承ください。

以下、なるべく古い順から15曲です。

 

 

Black Spider - Heart Of The Sun (Luigi Lusini Remix)

イタリアのDJ/プロデューサー、Luigi LusiniによるRemix。

あのBlack Spiderによるトライバルハウスな原曲を、ここまでエモーショナルに仕上げてくるとは驚異的。

歌はもちろん、シンセも主役として成り立っていますから、バランス的にも美しいVocal Tranceと言えます。

Luigi Lusiniの楽曲は独特な情緒があるのでお勧めです。

Heart of the Sun (Luigi Lusini Remix)

Heart of the Sun (Luigi Lusini Remix)

 

Gareth Emery feat Mark Frisch - Into The Light (Alex M.O.R.P.H. Remix)

Gareth Emeryの曲をAlex M.O.R.P.H.がRemix。

男性Vocalが強烈なアクセントとなり、疾走感のあるアップリフティング系トランスに仕上がっていますね。 

Alex M.O.R.P.H.らしい、エッヂの効いたアレンジです。

彼はこの業界でも数少ないVocal Trance職人の1人かと思います。

Into The Light (Alex M.O.R.P.H. Remix)

Into The Light (Alex M.O.R.P.H. Remix)

 

Beat Service - Masquerade feat. Gemma Pavlovic (Sunn Jellie Remix)

Remixはウクライナ出身のSunn Jellieによるもので、お国柄、哀愁感たっぷり。

作曲者のBeat Serviceもエストニア出身なので、両者ともに東ヨーロッパ出身ということで共通点がありそうです。

ただ、このRemixに関してはキックがパンチ不足なので、現場使用については十分気を付けましょう。

Masquerade (Sunn Jellie Remix)

Masquerade (Sunn Jellie Remix)

 

Fresh Produce - Solid Ground (Blood Groove & Kikis Remix)

2010年以降、特に前半はプログレッシブ勢が台頭してきた時代とも言えます。

初期Deadmau5やDinkaをベースとしたような、BPM128付近のメロディックなハウス系サウンドですね。

この曲もそうした流れの延長線上にあります。

サブメロディを奏でるピアノがとても印象的。

Solid Ground (Blood Groove & Kikis Remix)

Solid Ground (Blood Groove & Kikis Remix)

 

Paul Oakenfold feat. J. Hart - Surrender (Protoculture Remix)

Protocultureはサイケデリック系からアップリフティング系へと転身したアーティストです。

ジャンルが変わっても、その才能に枯渇はなく、現在も精力的にリリースしています。

ただ、印象としてVocal Tranceは少なめ?かもしれませんので、ファンにとっても貴重な1曲になるかと思います。

それにしても、、、男性Vocalって最高過ぎませんか。

Surrender (Protoculture Remix)

Surrender (Protoculture Remix)

 

A.M.R feat Ai Takekawa - Whispers (Talamanca Remix)

日本人ボーカリスト、武川アイが参加している楽曲です。

英語と日本語が交錯するハイブリッドな歌詞にも注目。

こうした綺麗めプログレッシブは日本人クリエイターの活躍も素晴らしいものがあります。

似たような曲が多いのも事実ですが、Vocal要素を上手く取り入れることで、まだまだ伸びしろのあるジャンルかと思います。

Whispers (Talamanca Remix)

Whispers (Talamanca Remix)

 

Betsie Larkin & Solarstone - Breathe You In (Solarstone Pure Mix)

トランス界隈でレジェンドと言えば、Solarstoneの名前はすぐに挙がりますね。

自身の音楽性をピュアトランスという言葉で表現し、現在も精力的に活動中。

特にVocal Tranceの手腕は内外からの評価も高く、構成やアレンジについても起伏に富んでいて飽きさせません。

名曲も多いのですが、個人的に歌詞とコード進行が好きなこの曲を今回はピックアップしました。

心がピュアな方にはすぐにご理解頂ける、シネマティックな世界観です。ハイ。

Breathe You in (Solarstone Pure Mix)

Breathe You in (Solarstone Pure Mix)

 

Kukuzenko - Dreamcatcher (Ferrin & Morris Remix)

Ferrin & Morrisはドイツ出身のDJ/プロデューサー。

Kyau & Albertと同郷だけあって、ユーフォリックなトランスを得意としています。

この曲も僕好みな男性Vocalモノ。

ブレイクからサビへの展開まで、Vocal Tranceの定石に沿った展開がお見事。

2010年代に入ってからシーンに登場してきたことを考えると、今後の活動が楽しみな新勢力、といったところでしょうか。

ちなみに作曲者のKukuzenkoはウクライナ出身です。

Dreamcatcher (Ferrin & Morris Remix)

Dreamcatcher (Ferrin & Morris Remix)

 

Markus Schulz feat. Jaren - Carry On (Solid & Sean Truby Remix)

Markus Schulzの曲をSolid & Sean TrubyがRemix。

トランスDJ界隈においては、この文字情報だけでも聴く前から「買い」となります。

実際のところ、ブレイク及びサビともに怒涛のビルドアップ感が凄まじく、フロアではきっと多幸感に満たされること間違いなしの1曲でしょう。

Ferrin & Morris同様、Solid & Sean Trubyもまだ若いアーティストなので今後が楽しみです。

ちなみに、こうした2人組アーティストの場合、片方がDJで片方がマニュピレーターとなる場合が多いです。(前方がDJ、後方をマニュピレーターとする表記が多いかも)

作曲技術とDJ技術の両方を習得するのはハードルが高すぎることなので、自然にこうした名義が増えている気がします。

Carry On (Solid & Sean Truby Remix)

Carry On (Solid & Sean Truby Remix)

 

Chris Metcalfe & Jo Cartwright - Winter Sun (Original Mix)

Chris Metcalfeはイギリス出身のDJ/プロデューサーです。

僕が昔から大好きなレーベル「Monster Pure」からのリリースも多い、アップリフティング系を得意とする方です。

今回ピックアップした曲も、透明感あふれる女性Vocalが終始心地良いですが、前出の「Carry On」との温度差にも注目したいところ。

ピークタイム仕様とはまた違った魅力があると思います。

DJはこうした楽曲本来の温度差を利用して選曲し、自身のDJ MIXに反映させていくのであります。

Winter Sun (Original Mix)

Winter Sun (Original Mix)

  • アーティスト: Chris Metcalfe & Jo Cartwright
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LTN & Ad Brown feat. Cat Martin - Miss You (Original Mix)

LTNはインドネシアのDJ/プロデューサー。

昨年には「A State of Trance」の収録スタジオにもゲスト出演し、着実に知名度を上げております。

元々、アップリフティング系よりもプログレッシブ系を得意としているので、この曲も女性Vocalを主軸に、美麗な世界観を確立させていますね。

彼にとっては代表曲ということにもなると思います。

People I'll Never Forget

People I'll Never Forget

 

Yuji Ono feat. Poli Hubavenska - Trakia (Original Mix)

Dominat Spaceとしても活動している日本人DJ/プロデューサー、Yuji Onoによるプログレッシブ系の1曲。

往年のDave SeamanやNick Warrenなどを彷彿とさせる、ダークでエキゾチックな世界観が素晴らしいです。

歌モノというよりはサンプリング素材としてのVocal要素を上手くアレンジしていますね。

今後のリリースに期待したいです。

Trakia (Original Mix)

Trakia (Original Mix)

 

MaRLo & Chloe - You And Me (Extended Mix)

せっかくなので、EDM風なトランス系楽曲も紹介しておきます。

2010年代に入ってから、特に中盤以降はポップな楽曲が本当に増えました。

これは世界的なフェスシーンの盛り上がりもあって、各トップDJがそこでのプレイを念頭に置いた楽曲を製作するようになったからです。

クラブミュージックのシーンにおいては、1つの曲が売れると似たような曲が雨後の筍のように発生しますので、これも流行音楽&消費音楽の宿命とも言われる所以です。 

You And Me (Extended Mix)

You And Me (Extended Mix)

 

Derek Palmer & Cassandra Grey - Awake (Original Mix)

Derek Palmerはトランス系にしては珍しく、USA出身のアーティストです。

失礼を承知で書きますが、ミズーリ州のモネットという典型的なアメリカの田舎育ちであるにも関わらず、サウンドは完全にヨーロピアンなユーフォリック仕様なんですよね。

それもそのはず、彼自身がDaniel Kandiからの影響を公言しています。

この曲もDaniel Kandi直系の哀愁感迸るアップリフティングトランスに仕上がっていますね。

そしてまた女性Vocalがアクセントとなって、大変美味しゅうございます。

Awake (Original Mix)

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  • アーティスト: Derek Palmer & Cassandra Grey
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  • 発売日: 2018/02/08
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Ferry Corsten feat. HALIENE - Piece Of You (Gai Barone Remix)

最後に紹介するのは今月リリースされたばかりの新曲です。

僕がDeep Tranceと形容している類のサウンドですが、数あるGai BaroneのRemixワークの中でも最高級の品質かと思います。

原曲に元々あった叙情性をさらにGai的な宇宙的解釈へと飛躍させたところに、彼のポテンシャルの高さを感じずにはいられません。

その昔、Jonh DigweedやSashaが築いたアトモスフィリックなプログレッシブサウンドは、こうしてGai Baroneによって正当に継承されていることがよく分かります。

以上、15曲を紹介してみました。

前回の特集で取り上げた2000年代のVocal Tranceに比べて、若干ですが毛色が異なっていることがお分かりでしょうか。

これはクラブミュージック、いやダンスミュージック全体が流行音楽としての役割を担ってきたことの証左でもあります。

また、音楽機材の進歩により、キックやシンセといった音色そのものが時代性を反映するようにもなりました。(サインドチェインといった技術も含めて)

そうした中で、Vocal Tranceに限ってみれば、そのアレンジや構成はオーセンティックな内容の曲が多く、しかもそれが支持されている現状があるようです。

たとえ時代や機材が変わっても、歌モノには普遍性があるというわけですね。

そのため、リリースから年月が経っても飽きずに聴くことが出来ますし、アンセム化しやすいという利点があることも見逃せません。

つまり、クリエイターにとっても、リスナーにとっても、Vocal Tranceの魅力というのは恐らくその辺にあるんだろうと思います。

 

少々、無駄話で長くなりました。

それではひとまずこの企画は終了といたします。

ご清聴、誠にありがとうございました。

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