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【映画】豪華なアンビリバボー「死霊館」【ネタバレ感想】

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「死霊館」(2013年)★★★☆☆

ホラー映画に関しては誰しも譲れない一家言みたいなものがあると思いますが、僕も正直言って恐怖演出には凄くうるさいです。

特に「暗闇」と「密室」を抜きにしてホラー映画は成り立たないとさえ思っています。

 

本作は全米でヒットを記録した「死霊館」シリーズの記念すべき1作目となりますが、結論から言うとそれほど怖くはありません。

ホラー映画でそれを言っちゃうと駄作認定されがちですが、決してつまらないわけではなく、サスペンスとしてはかなり面白い部類です。

要するに脚本がしっかりと辻褄合わせ出来ているということですね。

 

監督はジェームズ・ワンということで、映画ファンには馴染み深い方です。

彼が手掛けた「SAW」シリーズは僕も全作観賞済みですが、単純に面白かったですしね。

ただ、シリーズが続くにつれて、アメリカのTVドラマを観ているような錯覚を覚えましたが、各作品の結末をクリフハンガーにしているわけですから、そういった批判は仕方ないところかなと思います。

 

さて、本作「死霊館」は2013年公開の映画ですが、僕は今まで避けてきました。

というのも、当初からシリーズとして続く可能性があったので、ある程度作品が揃ってから一気に観たかったんですよね。

今年になってようやく、シリーズとして関係のある作品を全て観賞することが出来まして、改めて感想を残しておきたいと思います。

 

すでにTVドラマというキーワードを使いましたが、内容的には実話をベースにしている分、まるで豪華なアンビリバボー的な佇まいです。

これ、吹替で観た方は尚更その印象が強くなるのではないでしょうか?

 

ホラー演出に関しては特に目新しいものはなく、過去に「悪魔の棲む家」などの家系ホラーに慣れ親しんだ方は妙に居心地の良い懐かしささえ感じるかと思います。

シリーズ1作目ということもあり、霊現象の定義についてもきちんと語られており、このことは続編においても継承されることになります。

つまり、「騒霊」→「攻撃」→「憑依」という順番で物語は展開するということ。

これを頭に入れながら鑑賞すると、自然と悪霊の気持ちになって映画を楽しめるのでオススメです。

 

本作に限った話ではないんですが、ホラー映画において子供がまず標的にされるケースは多々あるかと思います。

幼少期は感受性が強かったり、心身ともに未成熟な故に悪霊に狙われやすいのでしょうか。

しかし、いざその恐怖体験を親に訴えても「大丈夫、あなたは夢を見たのよ」とか言いながら再び独りの部屋で寝かしつけられるあたりには相当な違和感を抱きます。

よもや自立を促しているのか分かりませんが、親心としてはですよ、こんなに怖がってるんだから一緒のベッドで寝てやれや、と思わず唸ってしまうのです。

 

そういうツッコミを入れながら、劇中の物語は核心に迫っていきます。

しかしながら、全体的には盛り上がりに欠ける内容でして、鑑賞後の食い足りなさは否めません。

ただそれには確かな理由があって、これは仏教徒、もしくは信徒の多い日本人の宿命みたいなものですが、本作はキリスト教を物語のベースとしているため、恐怖対象が悪魔というところにどうしても僕なんかは現実味が薄れてしまうんですね。

神に対する畏怖や崇め奉る姿勢なんかも西洋のそれとは明らかに違いますので、この辺は悪魔の仕業であっても心底怖いという感情が起きにくいのです。

どこか対岸の火事のような気分。

 

それでも、作品の演出自体にB級テイストは一切なく、高品質な再現ドラマを観ている気分にはなりますので、繰り返しますが、豪華なアンビリバボー的な話の面白さはあると思います。

アナベルという人形の不気味さも特筆すべきものがありますが、比較すると稲川淳二の「生き人形」の怖さには足元にも及ばない気がしました。

「生き人形」を未見の方はぜひ今からでも観賞して欲しいと思いますね。

僕が尊敬してやまない稲川怪談の最高峰の1つですから。

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ということで、あんまり怖くはないんですけど、お話の展開が面白いという評価に落ち着いた「死霊館」1作目。

劇中におけるウォーレン夫妻の人懐っこさもあり、総じて憎めない作品に仕上がっております。

怖さが物足りない方には、ぜひとも部屋を暗くしてヘッドホンなどで孤独に鑑賞するのが良いかもですね。

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