操作性の向上など数々のアップデートが適用された「ウィッチャー3:ワイルドハント」を購入。
それまでの 「レッド・デッド・リデンプション」的な所謂ロックスター社製にありがちな慣性の効いた重い挙動から解放された今、ファンタジーRPG好きとして本作を買わない選択肢はない。
150時間以上プレイした「スカイリム」好きの私も心躍らせてゲームをスタートさせてみたのだが、まずはそのパッチ(1.07)のダウンロードに30分以上かかり、ようやく本編を始めてみたものの、最初のムービー後に進行不能のバグが発生。
「どういうことだ?(プレイ済みの方はゲラルト吹替で脳内再生よろしく)」
結局、インストールしたデータを全て削除し、本体再起動後に再度パッチをダウンロードしてから始めてみたのだが、果たして今度は上手くいったようだ。
しかしこの時点ですでに1時間以上を費やしてしまっているのだが。
ひとまず気を取り直して、まずはじめに本作は「スカイリム」のようなキャラクターエディット機能はない。
ゲラルトという激渋で強面のおっさんを操作することになる。
私はXboxの頃からこうした洋ゲーの世界観には慣れ親しんでいるので特に違和感は感じないものの、日本の「ファイナル・ファンタジー」などに代表される美男美女系RPGの感覚で本作と対峙すると、おいおい、この主人公で大丈夫なのかと面食らうことだろう。
しかし、恐らくそれは問題ない。
なぜなら本作は吹替が素晴らしく、ゲラルトの言動と所作にほとんど違和感がない点は端的にゲームの進化を感じさせるものだからだ。
まだ6時間ほどしかプレイしていないが、この素晴らしい日本語ローカライズのおかげで物語への没入感が高いレベルにあることは最初に明記しておきたい。
ちなみにシリーズは今回で3作目だが、本作から始めても話の意味は大体掴めるのではないかと思う。
要するに、私の世代で喩えるなら「孔雀王」みたいな世界観である。
つまり主人公は怪物退治を生業としながらも、それ故世間からは忌み嫌われる存在であり、しかし彼の強大な力を頼りにする人も多い、という魑魅魍魎渦巻く古典的な物語だ。
まだまだ序盤なので何とも言えないが、「Fallout 3」のように、たった一人で世界を救うなどという大仰なテーマではないことは確実だろう。
いやもちろんこれは憶測だが。
一見して、サブクエストも充実している印象だ。
モブキャラにもきちんとした生活感があり、加えて高画質のグラフィックのおかげでリアリティは標準以上にある。
もちろん、ここでいうリアリティとはゲーム的な範疇の中での話だが、特に選択肢で会話が分岐していくシステムは秀逸。
このシステム自体に目新しさはないものの、キャラクターの瞳孔の動きまで緻密に描いた演出はおよそ次世代機にふさわしい作品と言える。
肝心の操作性だが、1.07パッチで導入された慣性の少ないモードのおかげで、探索及び移動、そして戦闘がすこぶる快適である。
もっぱら低レベル帯での戦闘においては主人公の体力も低く、詰まるところ、回避行動が重要とならざるを得ない。
具体的には「モンハン」的なローリング回避を多用しながら敵と戦うことになるので、そういう意味でもこのパッチの恩恵はとても大きい。
また、同パッチでは全体的なパフォーマンスの向上はもちろんのこと、素材など練金に関わるアイテムの重量が撤廃される等、発売当初から比べると大幅な「カイゼン」が施されており、それまでプレイヤーが感じていた細かい不満点を丁寧に消している点は好感が持てる。
それでも本作の基幹となるシステムメニューがあまり洗練されていないところは唯一残念な部分ではないだろうか。
ただでさえフォントが小さく見づらいため、所持品管理はもちろんのこと、武器&防具の装備や練金、スキルアップなどが直感的に分かりづらく、慣れるまでには少し時間がかかるかもしれない。
出来れば「Diablo 3」のように直感的なユーザーインターフェイスが好ましいと思うのだが、このオールドスクールで野暮ったいメニュー画面が好きな人も中にはいるかもしれないので、文句はこのぐらいにしておこう。
ということで現在はメインクエスト「リラとスグリの香り」をクリアし、これから「謁見」に突入予定。
現時点(Level 4)でこなせるサブクエストも全て消化。
クエストによっては淡々とシネマティックに進行する演出があり、思わず「ヘビーレイン」を思い出して懐かしいやら嬉しいやら、この引きの強さは本物だろう。
なんというか、ゲームは大人のエンターテインメントであるということを、改めて認識させてくれそうな、やりがいのある1本になりそうである。
つづく。
PS4/Xbox One ウィッチャー3 ワイルドハント オープニングムービー - YouTube