Kodaline「Coming Up for Air」★★★★☆
アイルランド出身、インディーロックの面影を残すKodalineの2nd。
1stアルバム発表時はColdplayの二番煎じと揶揄されたものだが、定評あるライブパフォーマンスのおかげで今や不動の人気を実力で掴んだ印象がある。
彼らの音楽性については、例えば楽曲の構成や展開に特段のギミックが施されているわけでもない。
ただただ、歌の旋律そのもので観客をねじ伏せるという実直な姿勢がそこにある。
その分、退屈さとは紙一重の世界であり、この手のバンドの宿命とは、いかに良い歌メロを量産し続けることが出来るかどうか、ということ。
果たして、その答えとなるのが2作目となる本作である。
結果として、彼らの印象はさらに良くなったと言っていい。
音楽的には1作目のアコースティック主体のサウンドから普遍的なポップスへの昇華が見られ、表現の幅が広がったことは素直に嬉しいトピックだ。
例えばKeaneとOf Monsters And Menを足して2で割ったような、都会的でありながら牧歌的な雰囲気さえ漂わせる独特な世界観も健在。
加えて、現在のColdplayのようなアリーナ規模のスタジアムミュージックではなく、キャパの小さいライブハウスが似合うような、あくまでもインディーロックを追求する姿勢が素晴らしい。
だが惜しいことに、今回はアルバムの目玉となる楽曲がほとんど見当たらないのだ。
パっと見、良い曲ばかりなのに、耳に残っていかない不思議。
そろそろ彼らにもOne Republicの「If I Lose Myself」のような名曲が必要だと思う。
かつてColdplayは「X&Y」、Keaneは「Perfect Symmetry」という名曲を3作目のアルバムに収録していた。
Kodalineも3作目となる次作が正念場だろう。