Mad Tribe「Spaced Out」★★★★☆
Psychedelic Tranceシーンを語る上で避けては通れないアーティスト、Olli WisdomことSpace Tribe。
これまでに10枚以上のアルバムをリリースしており、今なお第一線で活躍するベテラン選手の1人だ。
方や、Max PetersonことMad MaxxはSirius Isness名義でも有名だが、同じくPsychedelic Tranceシーンにおいて安定感抜群のDJプレイに定評のあるアーティストである。
2015年、この2人のベテランが手を組んだ。
それがこのMad Tribeである。
サウンドの骨格は完全にピークタイム仕様、所謂フルオンである。
BPM145以上は当たり前の世界だが、これが恐ろしく心地良いグルーヴに仕上がっているから困る。
いやはや、ベテランがここまで気合いの入った作品を出してくるとは、、、もちろん素直に嬉しい驚きだ。
元々、Mad MaxxのProgressiveでHard Tech気味な疾走感が気に入っていた私だが、そこにSpace Tribe特有のアシッド感がこれでもかと言わんばかりに上乗せされており、果たしてこれが素晴らしく快適なレトロモダン調の雰囲気を醸し出しているのが特徴的である。
これはPsychedelic Tranceに限ったことではなく、Electronic Music全般に言えることなのだが、やはり機材の進歩による恩恵は非常にありがたく、オールドスクールな構成やアレンジでも新鮮に聴こえてくるのは何よりの収穫だろう。
特に「Trippers」「Faster Than Light」「Key To The Universe」がお気に入りでヘビロテしているが、この辺は当時のTIP Recordsなどから洗礼を受けた古参ファンでも、十分に楽しめるクオリティに仕上がっているので安心して欲しい。
何を隠そう、フルオン系のサウンドにやや食傷気味だった私でさえ、本作でまたその良さを再確認出来たこと、この点は重ねて申し上げておきたい。
ジャケットのアートワークにもあるように「Complete with Real Alien Sounds」の塊のような作品である。
そう、Psychedelic Tranceの本質とは、「宇宙」なのである。
Mad Tribe - Spaced Out (trailer) - YouTube