Funeral Advantage「Please Help Me」★★★★☆
USはボストン出身、Funeral Advantageの新譜が素晴らしい。
骨格は純然たるドリームポップ。
そこにシューゲイザーやニューウェイブのエッセンスをちりばめ、絶妙な疾走感と牧歌的な泣きメロが独特な浮遊感を醸し出しているバンドだ。
思えば2015年に1stフルアルバム「Body Is Dead」で鮮烈な印象を残した彼ら。
しかしながら似たような楽曲が目立ち、全体を通して少し退屈に聴こえてしまったのも事実。
そうした中でバンドが一段と成長していることを本作は物語っている。
タイトル曲はもちろんだが、2曲目「CEOT7K」の完成度の高さは突出しているように思う。
低予算?ながらサウンドプロダクションも悪くない。
もう少しギターサウンドの粒立ち感は欲しいところだが、旧譜のジザメリなんかよりはずっと良い(当然である)。
音響機材の進歩というのは確実に音楽を次のステップへ誘う典型的な好例と言えよう。
New Orderや初期The Posies、そしてもちろんThe Jesus And Mary Chain、Joy Divisionあたりが好きな人にもきっと刺さるはず。
国産ではLillies and Remainsが好きな方へ。
決して記号性の高い音ではないが、この世界観の誘惑はひたすらに甘美である。
Funeral Advantage "Back to Sleep" | Spare Room Sessions