僕がTrance系のDJ Mixを作る時は以下の5つを意識します。
- 相性の良い曲同士をまとめること
- アウトロは次曲のイントロという意識を持つこと
- 不協和音をなるべく出さないこと
- 情景を心に描きつつ起承転結を構築すること
- 疾走感を常に考えて臨機応変にMixすること
まず、相性の良い曲とは何でしょう。
それは曲のKeyであったり、曲の世界観が似ているものを指します。
DJ Mixとは曲の集合体ですから、相性の良い曲数を増やせば増やすほどその集合体は美しくなります。
僕の場合、相性の良い曲のペアを集めることから始めます。
その際、感覚として必ず持つようにしているのが「アウトロは次曲のイントロ」という意識です。
つまり、今かかっている曲は次曲の「前座」という存在に過ぎない、ということ。
こうした意識で曲を繋げていくと、必ず連続性という法則が生まれます。
もちろん、そこに不協和音は不必要です。
旋律と旋律が相反してしまうようなMixですと、聴く人は途端に興醒めしてしまいます。
せっかく構築した世界観が不協和音1つで失われてしまうんです。
特にメロディアスなTrance系Mixを作る場合は細心の注意が必要です。
そしてこれは精神論に近い話にもなりますが、自分が心に描いている情景を伝えるため、起承転結は必要不可欠な要素と言えます。
物語性という言葉に置き換えてもいいでしょう。
僕の場合、60分の尺ですと必ず30分~40分あたりに転機が訪れるような構成にします。
(この転機というのは、例えばマイナーコードからメジャーコードへの転調的なものであっても十分だと思います。)
人間の集中力は30分で切れるという話もありますが、僕としてはリスナーを飽きさせない工夫の1つと考えて実践しています。
最後に、疾走感。
Trance系には絶対に必要な要素です。
恐らく、これまでの内容をきちんと実践していればある程度の疾走感は出ているはずです。
さらにそれを加速させるにはMix技術と構成力、この2つを磨くしかありません。
このMix技術というのは経験です。
練習はもちろんですが、上手いと評判のDJ Mix音源をじっくりチェックすることも大切ですよね。
実際の現場で上手いDJの手元を見るのもいいでしょう。
(Mix技術とは盗むものでもありますから。)
そこで臨機応変なMix技術を会得することで、ロングミックスもショートミックスも場面に応じてこなせるようになります。
そして構成力。
残念ながらこれはMixの練習だけでは養うことが出来ません。
むしろ映画やゲーム、小説や漫画など、他芸術からの刺激を受けた方がいいと思います。
もちろん、クラブなどの現場での場数も求められます。
何よりもそこで得られる「オーディエンス」目線が大事だと思うんですね。
ちなみに僕の場合、選曲を組み上げるのに30分もかからない時もありますが、何日取り組んでも納得のいく構成が作れない時もあります。
そうした時は、決まって他ジャンルの音楽を意識して聴くようにしています。
(その勢いでMixを作ったりもします。以下、その時のダブステップMixです。)
ひとまず、走り書きのようにまとめてみました。
全く参考にならないと思いますが、以下に僕のTrance系のDJ Mix音源を載せておきます。
どちらも事前にコンセプトを決めて、情景を意識しながら構築したものです。
これが正解という世界ではないので、あくまでも参考資料の1つとしてお納め下さい。
ちなみにアートワークはorbさんというプロデザイナーさん。
毎回、自由にデザインしてもらっています。
素敵なアートワーク、いつもありがとうございます。