Tropical Bleyage「Reality Drop」★★★★★
セルビア共和国の首都ベオグラード出身、モーニングサイケの代表格Tropical Bleyageが3作目となるアルバムを発表しました。
Perovic PavleとGraovic Markoによる2人組ユニットですが、その歴史はまだ浅く、デビューアルバム「Melodic Perception」は2013年に出たばかり。
2015年に2作目「Constant Present」を発表、そのクオリティの高さ故、大きな反響を呼んだことは記憶に新しいです。
それから2年、本作も着実な進化を遂げた内容となっております。
モーニングサイケらしいユーフォリックな展開、そしてドライブ感のあるPsy系特有のベースライン、加えてアゲ過ぎないフルオン性。
美麗なアートワークの雰囲気そのままに、疾走感と美旋律のバランスが本当に素晴らしいですね。
例えばPsy-Trance期のProtocultureや、Future Prophecy、Ananda Shake、System Nipelなどがお好みの方、問答無用でオススメしておきます。
彼らはまだ30歳そこそこの年齢なので、今後の長いPsychedelic人生を考えると末恐ろしいものを感じます。
また、こうした音がヨーロッパの火薬庫と呼ばれるバルカン半島から生まれ出てきたことも大変興味深いです。
地理的及び歴史的にも多民族ひしめく中で、フルオンとはいえ、ピースフルでアトモスフィアな音を追求しているのが彼らの良さであり、これはデビューアルバムから全くブレずに今のスタイルを貫いていることからも分かりますが、音楽に懸ける「念」のようなものさえ感じずにはいられません。
Psy-Tranceは歴史とともに細分化し、それぞれのサブジャンルがお互いに良い影響を与えているようにも見えます。
Tropical Bleyageの本作も、改めてモーニングサイケの本質的な良さを感じる作品に仕上がっており、シーンに及ぼす影響力はまさしく健在といったところでしょう。
もし貴方がTrance系の音楽に抵抗がなければ、朝に限らず、気分を上げたい時にぜひ聴いてみてくださいね。