Satchmode「Love Hz」★★★★★
一体、LAで何が起こっているのでしょうか。
いや、これはアメリカ全体に言えることかもしれませんが、ここ数年、Lo-Fi系なインディーロックやシンセウェイブ、ドリームポップ勢の勢いが止まりません。
EDMというか派手なダンス系ビルボードに対するカウンター的な感覚でここ数年Lo-Fiで良質なインディーロック系バンドが後を絶たないアメリカ
— NEODEAD™@11/17COT&Friends (@NEODEAD) December 2, 2017
この件については以前にもツイートしましたが、ドンシャリでデジタルなEDMへの反動のようにも見えます。
バンドサウンドが大好きな僕としては嬉しい誤算ですけどね。
何はともあれ、サッチモードですよ、Satchmode。
彼らの本体はGabe DonnayとAdam Boukisの2人組ユニットです。
2013年より活動を開始、2015年には5曲入りのEP「Afterglow」を発表しているのですが、それに肉付けするような形で今回のフルアルバム「Love Hz」を完成させました。
つまりこれが正式なデビュー作。
まずは音源をチェックしてもらうとして、ファルセット気味なVocalと、引き算発想で構築されたアレンジがとても心地良いですね。
何というか、エロい。
Tesla BoyやYoung Kato、Gypsy & The Catなど、同じく今年デビューアルバムを発表したDWNTWNにも通じる、退廃的一歩手前ぐらいの繊細なタッチが絶妙です。
例えば邦楽の[Alexandros]が好きな人いたら、ぜひチェックして頂きたい。
本作はアップテンポからバラードまで、高品質な楽曲が収録されていますが、僕的には「Hall & Oates」、「Further Away」、「Love Hz」、「Happiness, Pt. 1」あたりがお気に入り。
もちろん、全曲捨て曲なしだとは思います。
ただ、フェードアウトで終わる曲が多い印象で、そこは少し残念。
80年代とか昔のバンド作品ってフェードアウトが多かったのは確かですけども、それを確信犯的に取り入れるのは今の時代に逆行している気もします。
というのも、現代の音楽市場は興行あってこそのマーケットです。
つまり、Liveでどれだけリスナーの心を掴むことが出来るかっていう話。
生の演奏によるフェードアウトは不可能に近いことですから、そこは普段のLiveと同じようにアルバムも仕上げて欲しかったなと思います。
いずれにしても、本作が傑作であり、名盤と呼ばれる日が近いのは事実かと。
今年のインディーロック勢の作品を語る上でも、到底無視出来ない存在です。
今後の活躍がとても楽しみですね。
Come to Japan, Satchmode!