赤西仁「Blessèd」★★★★★
僕は好きなものを紹介するのが好きです。
アイドルでも何でも、そこに偏見は全くなくて、楽曲のセンスさえ良ければ素直に愛でるタイプです。
ということで、赤西仁の新譜。
これがもう傑作だと僕は思うんですね。
まずは音源チェックからどうぞ。
とっても聴きやすく仕上げていますよね。
ポップソングとしても、クラブミュージックとしても、素晴らしい手腕だと思います。
というのも、邦楽の場合、どうしてもビルボード系の周回遅れなセンスを感じてしまいます。
あー、これは前にZeddがやってた感じよね?とか。
でも赤西仁の場合、そういう懐古的な部分も含めて「今」のダンス系ポップミュージックを必死に追求している痕跡があります。
僕はそのポジティブな姿勢に心を打たれるし、その昇華の仕方が単純にセンス良いなあと思ってしまう。
まあそのセンスの良さはKAT-TUN時代からあったわけで。
2010年にこの「The D-Motion」を聴いた時、僕は赤西仁の可能性を感じた次第です。
歌唱力はもちろんですが、ラップ時のリズムの取り方とか、今聴いてもシビれますね。
そこから7年の月日が経過しましたが、その年月にふさわしい進化を遂げていると思います。
海の向こうのアメリカでは、Marshmelloに代表されるTrap系が全盛期を迎えておりまして、本作もその傾向が強くなるのかなと身構えておりました。
しかし、蓋を開けてみればそれも杞憂に。
基本、美麗なメロディラインを丁寧に紡いだ、ポップアルバムの教科書みたいな佇まいです。
時折、Future House的なアレンジも加えられておりまして、DJ的にも美味しい。
彼自身は海外を主戦場と捉えているようですが、本作に収録されている楽曲は、総じて日本人好みに仕上がっているとも思います。
例えば、GryffinやKygoなど、メロディアスなポップソングが好きな人にはぜひお勧めしたいところ。
こうした直球を投げてくるアーティストが日本からなかなか出てこなくて、それが日本のEDMシーンの定着に時間を要した点だと思っているのですが、彼のおかげで未来も明るくなりそうな予感。
いやほんと、メシウマです。
このように知名度のある方が、今のダンスミュージックを分かりやすく提示してくれるわけですから、結果的に日本のクラブ業界にとっても必ずやプラスになるはずです。
出来れば、この路線で全編日本語verのアルバムも出して欲しいなと思ったりw
そんな本作ですが、全10曲で30分ちょいの構成なので食い足りなさはあります。
しかしながら、食わず嫌いせずにぜひ食べてみて欲しいですね。
(DJ的には曲順が少し不満でしたが)
ちなみに、彼のレーベルがユニバーサルミュージックと提携したおかげで、Apple MusicやGoogle Play Musicといった定額制音楽配信サービスでも聴けるようになったのは、本当に嬉しい限り!