「アナベル 死霊人形の誕生」(2017年)★★★★☆
「死霊館」スピンオフ、アナベルシリーズの2作目となる本作はエピソード0的な作品です。
邦題の通り、アナベルの誕生についてスポットが当てられています。
結論から言うと、現時点でシリーズ中、最も怖くて面白いです。(2018年9月公開の「死霊館のシスター」除く)
今回も製作にはジェームズ・ワンが関わっていますが、監督は無名のデヴィッド・F・サンドバーグという方。
皆さん「ライト/オフ」という映画はご存知でしょうか。
暗闇の演出がとても上手く、ホラー映画としても良作に仕上がっていましたが、あの監督さんです。
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さて、本作「アナベル 死霊人形の誕生」がなぜ怖くて面白いのか。
それはまず、舞台設定が良かったと思います。
今回は田舎の一軒家に孤児が下宿するという流れですが、田舎過ぎて思わず笑ってしまいます。
ご近所さんなんて1人も描写されません。
もちろん、家の外は豊かな自然が広がっているのですが、精神的な閉塞感や密室感というのが画面からもどんよりと伝わってきました。
この状況設定がナイスでした。
次に、暗闇の演出です。
監督はすでに「ライト/オフ」という作品で手応えを掴んだのでしょう、本作でも恐怖の対象として暗闇描写が大活躍します。
部屋の奥の暗闇に浮かび上がるアナベル人形なんて失禁ものですよ。
しかもこの人形、気付いたらベッドの上にいたり、椅子に座ってこっちを見ていたりするんですから。
加えて、悪魔の攻撃対象となる子どもたちの演技も良かったです。
特に足に障害を持っている子の鬼気迫る演技は必見かと思いますね。
先の展開はある程度読めてしまうんですけど、それでも怖くて面白かったというのが本音です。
極めつけは、前作「アナベル 死霊館の人形」のオープニングに繋がっていくエンディングでしょう。
これには参りました。
ホラーに限らず、様々なエピソード0的作品を観てきましたが、これほどスムーズで違和感のないシークエンスは久方ぶりです。
前作とは監督も違いますが、製作や脚本に携わる人間が同じだからこそ出来た演出だと思います。
チームとして真面目に本シリーズに取り組んでいるのがよく分かる事象でした。
従いまして、エピソード0とはいえ、本作から観るのはあまりオススメしません。
まずは前作「アナベル 死霊館の人形」を観てからご鑑賞くださいませ。