Seventh Wonder「Tiara」★★★★☆
スウェーデン出身のプログレッシブ系ヘヴィメタルバンド、Seventh Wonderが久しぶりに新作を発表してくれました。
何と、8年ぶりです。
それもそのはず、VocalのTommy Karevikは現在Kamelotのメインボーカルとしても活動しているからなんですね。
要するに「二足の草鞋」を履いてるわけですが、こうしてSeventh Wonderの作品が発表されたことを考えると、今のところはまだ上手くいっている模様です。
さて、Seventh WonderはKamelotよりもさらにプログレッシブに傾倒したバンドです。
ワタクシも厨房の頃にDream Theaterの名盤「Images and Words」でプログレッシブメタルの洗礼を受けておりまして、加えて僕自身が楽器経験者(ギター)なので技術的な側面からも楽しく聴かせてもらってます。
Seventh WonderもDream Theaterの影響下にあることは間違いないのですが、特に前作の出来は素晴らしく、当ブログでも過去に記事にしておりますのでチェックしてみてください。
前作では何と言いましてもこの「Alley Cat」のクオリティに圧倒されました。
テクニカルとポップが高次元で融合したかのような、非常に奥行きのあるアレンジが絶妙なんですね。
言い換えれば、まさにSeventh Wonderの叙情性や郷愁感が炸裂した1曲でもあり、加えてTommy Karevikのずば抜けた歌唱力を改めてシーンに示した楽曲にもなりました。
さて、本作「Tiara」も前作同様にウェットな歌メロが随所に光る、高密度な作品に仕上がっています。
裏を返せば、その音楽性に大きな変化はなく、Seventh Wonderとしての立ち位置を改めて再確認するかのような内容です。
それにしても、MVに7分を超える曲を持ってくるのは流石の一言。
プログレッシブメタルが長尺になってしまうのは当然とはいえ、です。
このSeventh Wonderの場合、曲の尺が長ければ長いほど、理知的で立体感のあるアレンジを煌びやかに聴かせてくれるという安心感もあるんですよね。
対照的に、これはもう完全に個人の主観ですが、Dream Theaterは尺の短い曲にセンスが凝縮されているように感じます。

- アーティスト: Dream Theater
- 出版社/メーカー: Atlantic / Wea
- 発売日: 1995/02/22
- メディア: CD
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従いまして、本作の聴きどころは「Against the Grain」や「Damnation Below」及び「Exhale」あたりです。
繰り返しますが、Tommy Karevikの歌声が素晴らしく、むしろKamelotよりも伸び伸びとした印象を受けました。
曲調やスタイルの違いもありますけど、やはり元々の「実家」なわけですから、そこはリラックスして肩の力も抜けたんでしょう。
安定感抜群の5作目となりました。