Terrorizer「Caustic Attack」★★★★★
当ブログはメロウでエモーショナルな音楽ばかりを紹介しているわけでもなくて、管理人のワタクシがゴリゴリのメタル・キッズだったという輝かしい過去を持っておりますので、たまにHR/HM系作品もレビューします。
そこで今宵はTerrorizerの新譜「Caustic Attack」を紹介したいと思います。
奇しくも、彼らの最高傑作「World Downfall」の発売が1989年11月13日でして、本日が2018年11月13日なものですから、タイミング的にもバッチリかなと思います。ハイ。
USグラインドコア・レジェンド、TERRORIZER の名盤1stアルバム『WORLD DOWNFALL』は、今から29年前の1989年11月13日にリリースされました。https://t.co/IP2CYmfozt pic.twitter.com/zvtQpffMg3
— HMV_Metal (@HMV_Metal) 2018年11月13日
この名盤「World Downfall」は当時のBurrn!誌で和田誠氏が?点を付けてたので覚えている方も多いのでは?
内容的にはデスメタル及びグラインドコアの頂点に位置するもので、現在も名盤として語り継がれる大傑作であります。
ブラストビートの連発で非常に暴虐性の高い作品ですが、奇跡的に聴きやすい、という評価も多いので、メタル初心者の方もぜひ怖いもの見たさで聴いてみるのをお勧めします。
これである程度の耐性がつけば、Mobid AngelやEntombed、Carcassなどのデスメタル方面も余裕ですし、そうなるとSepulturaやTestamentなどのスラッシュメタル方面にも軽く手を伸ばすことが出来るので荒療治としては完璧ですね。
いや、どうなんだそれは。
何となく、お酒弱い人にテキーラ飲ませてお酒に慣れさせる、みたいな強引さを感じますが、僕の経験上、それでお酒に強くなった人は実際に誰一人見たことがありませんので、やっぱり無理な方は無理ということで苦手な方はそっと停止ボタンを押してくださいね。
さて、本作「Caustic Attack」ですが、名盤「World Downfall」に勝るとも劣らない、極めて殺気立った残虐性あふれるメタルを楽しめます。
冒頭からブラストビートの連続ですが、各所におけるギターリフがとても素晴らしいんですね。
そこに暴力的なグロウルが加わり、音全体が大洪水となって押し寄せてくるわけですが、僕なんかはもう、蒸し暑い日に浴びるシャワーのように心地良いです。
グラインドコアにありがちな、決してスピード一辺倒でもなく、3分以上の曲でもアレンジをよく考えておりまして、作品全体の完成度も非常に高いです。
ある意味で、ある意味でですよ、とってもメロディアスな作品だと僕は思いましたね。
ただ、アートワークはMegadethの二番煎じみたいで前作「Hordes of Zombies」のデザインの方が僕は好みですが、音楽的な内容、つまりTerrorizer独特のブルータリティとしては断然本作の方が上だと思います。
(特に「Devastate」や終曲「Wasteland」は圧巻です!)
サウンドプロダクションも良好で、ミックスダウン及びマスタリングも上手く処理されているなという印象。
そして全14曲、43分という中身ですから、あっという間に聴けちゃいます。
しかしながら、これもドラムのPete Sandovalの衰えぬドラミングによる賜物かなと思います。
彼を超えるドラマーは彼自身しかいないと僕は信じて疑わないのですが、果たしていかがでしょうか。
キリスト教に開眼して数年前にMobid Angelを脱退しましたので、今後はTerrorizerのみで活動するんでしょうか。
ぜひとも生で観たいので、再び日本のメタルフェスとかに気軽に来日して欲しいなあと思う、今日この頃であります。