Astronoid「Astronoid」★★★★★
アメリカのマサチューセッツ州出身の4人組バンド、Astronoidが新作を発表。
2016年に「Air」という1stアルバムを発表しているのですが、今回は自身のバンド名をタイトルにするという、かなり気合いの入った作品です。
何はともあれ、音源からチェックしていきましょう。
ポストメタルというジャンルに属する彼らですが、その実態はシューゲイザーとスラッシュメタルの融合を試みている”変態”バンドとも言えます。
もちろんこれは良い意味ですが、まさかの組み合わせにアラフォーの僕もびっくりです。
というのも、シューゲイザーもスラッシュメタルも、僕が10代の頃から飽きるほど聴いてきたジャンルなんですよね。
いまだかつて、この2つを真面目に融合しようと試みたバンドは、ほとんどありません。
サウンドの特徴としても、シューゲイザーは轟音ギターに浮遊感のあるボーカルメロディが主であることに対して、スラッシュメタルはクランチの効いたギターリフに激しいリズム隊というのが定番になっています。
Astronoidの場合、その両方の良い部分を抽出して、新しいジャンルを切り開いていこうとする姿勢に、思わずリスペクトせざるを得ません。
こうしたポストメタルやポストロックというのは、少々掴みづらいジャンルでして、紹介の仕方もなかなか難しいものがあります。
しかし、今回は僕もやりやすいですね。
つまり、シューゲイザーが好きな方と、スラッシュメタルが好きな方の両方に向けてお勧めすることが出来るので。
世界観も、まるでWidekのように、スペイシーでアトモスフィア。
こういったドリーミーなヴァイヴスって、好きな人にはたまらないでしょう?
しかも、前作に比べてテクニカルな表現が後退し、楽曲のクオリティそのものにベクトルが傾いたことも良かったと思います。
この調子で、新たなファンを獲得していって欲しいですね。
いやはや、アイデアの勝利に拍手です!