Gama Bomb「Speed Between The Lines」★★★★★
今から5年前に、当ブログでも興奮気味に紹介した北アイルランド・スラッシャーのGama Bombですが、ようやく正式な日本デビューを果たしました!(2018年)
まずは心よりお祝い申し上げます。
そもそも、彼らは2002年頃から活動していたのですが、日本ではマイナーな存在でした。
それが2015年リリースの「The Terror Tapes」で一気に風向きが変わります。
80~90年代に流行したスラッシュメタルというジャンルに、再び光を当てたような懐古サウンドですよね。
個人的にはベイエリア産のスラッシュを彷彿とさせるような、猪突猛進タイプの疾走感がとても好印象でした。
その後、2015年に傑作「Untouchable Glory」をリリースしますが、本作「Speed Between The Lines」についてはそれを上回る会心の出来と言って間違いないです。
一体、何が凄いのか。
それは、これまでGama Bombの特徴でもあったスラッシーな展開に、Iron MaidenやJudas Priestといった正統派HR/HMの要素を取り入れてきたからです。
これにより、それまであったチャラいイメージが少しだけ緩和されています。
もちろん、こうした方向性には賛否あるかと思いますが、僕は断然こちらのスタイルが好みなんですよね。
(ギター弾きの視点からすると、様式美な展開って気持ち良いんです。ハイ。)
とはいえ、下の曲のように、Gama Bombらしい楽曲も健在です。
なので旧来のGama Bombファンにも自信を持ってお勧め出来る内容と思います。
少し突っ込んだ話をしますと、こうしたメタル由来の様式美と、パンキッシュなハードコア成分が入り混じった音楽性って、Anthraxが始祖的だったと思うんですよね。
特にジョン・ブッシュ在籍時のサウンドって、メタルとハードコアのバランスがとても良かったじゃないですか。
つまりですよ、Anthraxのお家芸をGama Bombが奪っちゃったとも言えるのです、この「Speed Between The Lines」に関しては。
(特に「Alt-Reich」っていう楽曲のアレンジは象徴的です。)
似たような話で、その昔、Nickelbackが「Dark Horse」をリリースした時に、巷では「Def Lepardにこのサウンドをやって欲しかった!」という声が上がりました。
別にGama Bombが好きとか嫌いとかの話ではなく、単純にこのサウンドをAnthraxにやって欲しかったと僕は思ってしまったんですよね。。。
(それぐらい、クオリティが高いという意味でもあります。)
ということで、2018年発表の「Speed Between The Lines」ですが、AnthraxやTestamentが好きなスラッシャーにはマジでお勧めしておきます。
個人的には、NWOBHMを通過したHR/HMファンにもぜひ聴いて欲しいです。
Gama Bombにとっても、本作は間違いなく最高傑作ですから。