VLTIMAS「Something Wicked Marches In」★★★★★
今春、デスコアやエクストリームな若手を蹴散らすかのように登場したVLTIMAS。
Black Death Metalというオーセンティックな音楽性を標榜するバンドですが、HR/HMという広義で捉えたとしても、抜群に素晴らしいデビューアルバムなので紹介しておきます。
まずはMVでその暴虐性をチェックしてみましょう。
いやはや、すこぶる良いですね。
テクニカルな楽器隊に、存在感のあるVocalが大変素晴らしいです。
アレンジも上手く、それはまるでベテランバンドのような落ち着きっぷりですが、それもそのはず、このVLTIMASはビギナーズラックな新人バンドではありません。
Vocalに元Morbid AngelのDavid Vincent、Guitarに元MayhemのRune Eriksen、そしてDrumに元CryptopsyのFlo Mounierという、実力派揃いなんですね。
そう、この親しみのあるグロウルはDavid Vincentでしたっていうオチ。
例えば僕の世代で、HR/HMを通過した方はMobid Angelの存在は避けて通れません。
(恐らく、間違いなく、たぶん。。。)
当時はまだ新興勢力的な扱いだったDeath Metalというジャンルを、その卓越したクオリティでシーンを席巻していったのも懐かしい思い出であります。
僕は厨房の頃からThrash Metalが聴くのも弾くのも大好きだったので、そこにブラックメタル的な世界観とブラストビート&トレモロリフを果敢に取り入れたDeath Metalの隆盛には、少年のように目を輝かせていました。
ただ、サウンドプロダクションが非常に良くない作品が多かったのも事実で、それがバンドの魅力を半減させていたのも事実としてあると思います。
(グラインドコアとかになりますと、それが「味」になってくるものですが。)
近年は低予算でも音質の良い作品が製作出来る時代になっていますし、今のバンドはスタート地点からして恵まれているなあと思ったりもしますね。ハイ。
本作は全9曲、約40分というDeath Metalの教科書のような作品ですので、往年のファンから最近の若い人まで気持ち良く最後まで聴けると思います。
あ、もちろんメタル耐性のある方に限りますので取り扱いには十分ご注意ください。
ちなみに、バンド名の読みは「ウルティマス」だそうです。

サムシング・ウィキッド・マーチズ・イン【CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】
- アーティスト: ウルティマス,デイヴィッド・ヴィンセント,ルネ"ブラスフィーマー"エリクセン,フロ・ムニエ
- 出版社/メーカー: ワードレコーズ
- 発売日: 2019/03/29
- メディア: CD
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