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【Hard Rock】Whitesnakeが8年ぶりのオリジナルアルバム「Flesh & Blood」で魅せたハードロックへの情熱

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Whitesnake「Flesh & Blood」★★★★★

ギタリストにJoel HoekstraとReb Beachを迎え、8年ぶりに新譜を発表したWhitesnake。

Whitesnake=David Coverdaleの歴史とも言えますが、カヴァデール本人はもう68歳になるんですね。

日本だと団塊の世代ですか。

いやー、若々しいです。

音楽って老化を遅らせる効果がきっとあるんじゃないでしょうか。

そのうち癌に効くようにもなる、、、っていうのは全くのデタラメってことでもなさそうです。ハイ。

それはさておき、まずはMVで最新の音源をチェックしていきましょう。

ん~、これはもうWhitesnake健在!って感じですね。

バンドとしての塊感もあって、このメンバーでのラインナップが充実しているところも垣間見えます。

(何と、ドラムにはTommy Aldridgeがクレジットされております。マジですかい。)

ただ、Whitesnakeぐらいのベテランバンドになりますと、人によってWhitesnakeに対する期待、そして見方が異なると思うんですね。

何というか、、、「世代で違う」といった表現の方が適切でしょうか。

例えば大雑把に分けると、(1)本国イギリスでの活動期、(2)アメリカ進出後の全盛期、(3)そして再結成後、という3つの時代でバンドの雰囲気が異なるかと思います。

まず、1970年代のイギリス時代は正統派ブリティッシュ・ロックといった格好で、まさにWhitesnakeの原型とも言うべきサウンドでした。

ラヴハンター+4(紙ジャケット仕様)

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特にこの2ndアルバム「Lovehunter」(1979年発表)を聴けば、Deep PurpleやRainbowといったハードロックの様式美の文脈に基づいた音楽性がよく分かると思います。

それからアメリカ進出後の、いわゆるセールス的にも全盛期と呼ばれる時代。

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この時期につきましては、日本でも抜群の知名度を誇るギタリスト、John Sykesが最も躍動した時代とも言えるでしょう。

アメリカナイズされたパワーバラード系楽曲についても、カヴァデールの声質にマッチしたウェット感がさく裂しており、僕もこの時期をリアルタイムに聴いて育ちました。

言うまでもなく、1987年に発表された「サーペンス・アルバス」はWhitesnakeにとっての代表作であり、HR/HMの歴史を語る上でも欠かせない名盤となっていますよね。

ただ、個人的には、Steve Vai在籍時の8thアルバム「Slip Of The Tongue」(1989年発表)を最も好んで聴いておりました。

Whitesnakeの歴史的には少し脱線気味というか、あまり評価が芳しくない作品かと思いますが、いやいや「Now You're Gone」や「Deeper The Love」など、珠玉の名曲揃いかと僕は今でも思っています。

(Steve Vaiの変態的なソロワークが独特な違和感を生んでいて、それが逆に心地良いというギタリスト視点ではありますが。)

スリップ・オブ・ザ・タング(紙ジャケット仕様)

スリップ・オブ・ザ・タング(紙ジャケット仕様)

 

さて、その後はメンバー間の衝突などもあり、解散を余儀なくされます。

傷心のカヴァデールはCoverdale-Pageというプロジェクトをスタートさせますが、これがあんまり僕は好きになれなかった。

そりゃ黄金期のWhitesnakeを体験しちゃってますからね、仕方ないです。

カヴァーデイル・ペイジ

カヴァーデイル・ペイジ

 

さて、企画で終わった感のあるCoverdale-Page以降、結局カヴァデールはWhitesnakeを再始動させるわけですが、その際、メインのギタリストにはDoug Aldrichを抜擢します。

そうです、Bad Moon Risingで一世を風靡したイケメンですね、ハイ。

しかしこの再結成後のWhitesnakeがですね、、、どうも僕には合わない感じで、あまり良い印象は持っていませんでした。

どうにも楽曲が耳に残らないと言いますか、フックが足りていないようなアレンジの安直さに、Doug Aldrichのソングライターとしての限界を見たような気もしました。

(ダグファンの方、大変申し訳ありません。)

具体的には10thアルバムとなる「Good to Be Bad」(2008年発表)や11thアルバムの「Forevermore」(2011年発表)が再結成後のタイトルとなります。

グッド・トゥ・ビー・バッド

グッド・トゥ・ビー・バッド

 

お得意のパワーバラード系の楽曲でさえ、気の抜けた炭酸、とまでは言いませんが、どうにも退屈です。

せっかくカヴァデールという最高の食材が目の前にあるのに、それを生かしきれていない残念感。

なのでここ最近は、全く期待していなかったバンドの1つになっていました。

ところがですよ。

今回の新作「Flesh & Blood」はオープニングから目の覚めるようなHard Rockの連発。

というよりアメリカンなR&Rテイスト(見方によってはバッドボーイズR&R的なテイスト)もあって、バンドがとても若返った印象なのです。

これはもう、Joel HoekstraとReb Beach、、、特にJoel Hoekstraのソングライティングの賜物だろうと推測します。

ご存知の方も多数いらっしゃるとは思いますが、Joel Hoekstraは元Night Rangerのギタリストでもあったので、そのアメリカンなロック魂というか、一見すると年老いてきたWhitesnakeにカッティングエッヂな活力を与えていると思うんですね。

そしてタッピング・マスター、Reb Beachとの相性もピッタリだと思います。

(そういえばWingerって今はどうなってるんでしょうか。謎です。)

惜しいのは、ウェットでエモーショナルなパワーバラードが少ないこと。

「When I Think Of You (Color Me Blue) 」や「After All」など、質感は高いと思いますが、このアルバムにつきましては、あのWhitesnakeなわけですから、リスナーのハードルは自然に高くなってしまいます。

さらに言えば、Joel Hoekstraはソロ名義で素晴らしくエモい作品「13 Acoustic Songs」(2007年発表)をリリースしているぐらいですからね。

13 Acoustic Songs

13 Acoustic Songs

 

ちなみにこの「13 Acoustic Songs」は全曲ギターインストですが、文句なしの傑作です。

このまま歌を乗せてもきっと成立するでしょうし、その逆もまた然り。

Joe Satrianiも真っ青になるぐらい、ギターインストのお手本のようなアルバムかと思います。

さて、話を戻しますが、結論としましては、今般のWhitesnakeの新譜、大変お勧めです。

ブリティッシュでオーセンティックな古き良き部分もありつつ、全体的にはアメリカンなR&Rテイストがポジティヴにバンドを包み込み、それが違和感なくカヴァデールの声と融合しています。

個人的には、期待していなかっただけに、嬉しい誤算。

こんなにハードロックへの情熱あふれる作品なら、あと何作かはこのラインナップで作って欲しいと本気で思っちゃいました。

(どちらかというと、アメリカ進出後のWhitesnake好きにお勧めかと思います。)

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あと完全に余談ですが、アルバム名を見た時、マジでPoisonかと思いました。

Poisonで最もよく聴いたアルバムが「Flesh & Blood」だったので。。。

Flesh & Blood

Flesh & Blood