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【Deep Trance】ベルリンの若手プロデューサー、Jonas Saalbachの新作「Reminiscence」が示した今の潮流

Reminiscence

Jonas Saalbach「Reminiscence」★★★★★

Jonas Saalbachにとっては4作目?となるアルバム「Reminiscence」がリリースされました。

Deep HouseやMelodic Technoといったアトモスフィリックな音楽性はそのままに、現在のDance Music/Club Musicにおける、アンダーグラウンドな潮流を強く感じさせる内容です。

まずはその音源からチェックしてみてください。

彼のスタイルは僕がイメージしているDeep Tranceの雰囲気もあって、特にProgressive Houseの未来形ともいうべき、メロウでありながらも、全体的に落ち着いた世界観には非常に驚かされます。

Technoであり、Houseであり、Tranceでもあるという、このような音楽性については「クロスオーバー」という言葉が最も適切ではないかと思うんですね。

特にその辺は彼のDJパフォーマンスにも色濃く反映されていますので、必見です。

昔からAnjunadeep系に慣れている方にとっては、まさに垂涎モノではないでしょうか。

こうしたシネマティックな世界観は、製作者本人がしっかりとしたビジョンを事前に描いておくことが肝要となります。

そういう意味でも、若手プロデューサーとはいえ、Jonas Saalbachはベテランの風格すら漂わせていますね。

さて、本作はDJ MIX版もリリースされていますので、個人的にはそちらをお勧めします。

というのも、やはりDJとしてのJonas Saalbachを味わって頂きたいのが本音ですし、1曲1曲をパーツとして構成し、アルバム全体で物語を完成させることに意義があると思うからです。

本作の紹介文にも以下のような言葉がありました。

Music can describe a picture. A Picture can lead to a melody.

これは彼の音楽観を如実に現わしていると思います。

まるでシューゲイザーバンドのジャケのような、本作のアートワークも最高じゃないですか?

僕自身、表現活動において、こうした音楽以外の要素はとても重要視しておりますので、彼の考え方、ベクトルの方向性にはもはや賛同しかありません。

Reminiscence

Reminiscence

 

各楽曲のクオリティも恐ろしいほど高く、捨て曲なしのアルバムと言えるでしょう。

特に前半と後半の不穏な展開が素晴らしいと思います。

いや、中盤も素晴らしいので、やはり本作は2019年を代表する傑作ですね。

DJのみならず、チルアウトやエレクトロニカが好きな方にもぜひ聴いて欲しい作品です。

何を持ってアンダーグラウンドとするかは人それぞれですが、少なくともEDMに対するカウンターの役割は果たしていると思います。

なんだかんだ言っても、ベルリンは凄い。