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【映画】韓国産スリラーの傑作「サバハ(娑婆訶)」のストーリーテリングにおける3つの要素【ネタバレ感想】

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「サバハ(娑婆訶)」(2019年)★★★★★

Netflixにて韓国産スリラー映画「サバハ(娑婆訶)」を鑑賞。

数年前、ホラー界隈を震撼させた「コクソン(哭声)」に匹敵する面白さでした。

ホラー好きのみならず、ミステリ系謎解き好きもこの映画は絶対に観るべきでしょう。

緻密に練り込まれた脚本に、韓国映画の地力を見せつけられた気分です。

そして観終わった瞬間、最初からまた観たくなる映画というのは、総じて傑作の部類とも言えますね。

さて、本稿では極力、ネタバレは避けたいと思っています。

前述したように、謎解き要素の多い映画ですから。

その反面、予備知識がないと途中で物語について行けなくなる恐れもあります。

そこで、本作を読み解く上での大事な要素を列記しておきたいと思います。

(若干のネタバレになるかもしれませんので、これ以降は自己責任で読み進めて下さい。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 仏教界における四天王の役割(参照元:仏教
  2. ヘロデ大王による幼児虐殺(参照元:新約聖書
  3. 新興宗教の信者獲得手法(参照元:オウム真理教ほか現代新宗教

 

とりあえず、この3つを把握しておけば、途中で迷子になることもないでしょう。

特に3番目については、韓国の現代宗教事情も色濃く反映している部分です。

(社会批評というスタンスにおいても、本作のテーマは奥行きが深いとも言えますね。)

 

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それから、もう1点。

この映画は常に観察者の視点から描かれています。

そのため、映画というフィクションでありながらも、一定のリアリティを観客に浴びせることに成功しているのです。

すでに「コクソン(哭声)」を鑑賞済みの方には、同じ韓国産スリラーというジャンルとはいえ、本作との明確な違いを楽しめるのではないかと思います。

 

 

物語が進行していく過程で繋がっていく、点と線。

本作では、この繋ぎ方が非常に知性的であり、狡猾。

まるで”蛇”のように能動的でスリリングな作品でした。

古いところで「ナインスゲート」みたいなノリが好きだった僕も大満足。

土着的というか、民俗学的な雰囲気も最高でしたね。

未見の方は、ぜひどうぞ。