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【HR/HM】2019年、ビースト対決!Beast in BlackとBattle Beastの新譜が同時期に発表!

フロム・ヘル・ウィズ・ラヴ【CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】

Beast in Black「From Hell With Love」★★★★★

ノー・モア・ハリウッド・エンディングス【CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】

Battle Beast「No More Hollywood Endings」★★★★★

本題に入る前に、経緯を説明しておきましょう。

まず、Battle Beastはフィンランド出身のHR/HM系バンドで、2011年にデビューしてから今回の新譜を入れると5枚のアルバムを発表しています。

本国フィンランドでは新譜リリースのたびにチャート1位を記録するなど、絶大な人気を誇っていましたが、2015年にバンドの中心人物Anton Kabanen(Guitar)が脱退。

それでも2017年発表の「Bringer of Pain」は新生Battle Beastを象徴する傑作となり、当時の巷のファンもホッと胸を撫で下ろしたのではないかと思います。

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バトル・ビースト『ブリンガー・オブ・ペイン』【CD(日本盤限定ボーナストラック収録/日本語解説書封入/歌詞対訳付き)】

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一方、Battle Beastを脱退したAnton Kabanenは新バンド結成に動きます。

一部報道では、自己都合の脱退ではなく、解雇という形でバンドを去ったという話も出まして、彼にとっては決して穏やかではない日々であったことは容易に想像出来ます。

しかし、すぐに朗報が届くことになります。

彼は2015年にBeast in Blackというバンドを結成し、2017年にはデビューアルバム「Berseker」を発表しました。

この内容がまた素晴らしく、デビューアルバムにして名盤の呼び声高い作品となりました。

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ビースト・イン・ブラック『バーサーカー』【CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】

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さて、前置きが長くなりましたが、両バンドともに人気も実力も兼ね備えたHR/HMサウンドを奏でている点で、常に比較対象とされてしまう運命であることは間違いありません。

しかも、タイミングを合わせたかのように、作品発表の時期も近いです。

2019年の今年も、まずはBeast in Blackが2月に「From Hell With Love」を発表。

続くBattle Beastも3月に「No More Hollywood Endings」を発表しました。

(どちらも日本盤発売日を基準としました。)

両バンドともに、前作も同じ2017年のリリースでしたから、これはもうお互いにお互いを意識しているのは確実かなと思ったりするのですが、いかがでしょうか。

ひとまず、今般の作品に関して、それぞれインタビュー記事が公開されていますので、面白い部分を抜粋してみます。(以下、インタビューはHMVより抜粋。)

Beast in Black:Anton Kabanen(Guitar)のインタビュー

・今回は5曲が『ベルセルク』についてで、もう1曲が『北斗の拳』について。『北斗の拳』も、素晴らしい80年代の漫画だよね。オープニング・トラックの「クライ・アウト・フォー・ア・ヒーロー」が、『北斗の拳』についてさ。

・メタルに関して言えば、インスピレーションを受けているのは、主にジューダス・プリースト、マノウォー、ブラック・サバス、トニー・マーティン時代のね、W.A.S.P.、アクセプトあたりだね。

・基本的には良い音楽からはどんなスタイルであれ、インスピレーションを受けるよ。ジャンルを制限することはしたくないから。80年代のシンセポップ、80年代のポップス、イタロ・ディスコ、アコースティックな音楽、クラシック、サウンドトラック。古いゲーム音楽からもインスピレーションを受けることがある。任天堂やセガのゲームのサウンドトラックは素晴らしかっただろ。大好きだった。

・音楽に関して言えば、80年代こそが最も素晴らしいものが生まれた時代だと思う。もちろん80年代という区切り自体ただの数字でしかないのだけど、どういうわけかこの十年間に新しい音が生まれ、新しいヴィジュアル的なものが生み出された。俺は80年代の持つテイストが好きなんだよ。

・(お気に入りのアルバムを3枚選ぶとすれば)メタルだと、まずジューダス・プリーストの『Painkiller』。もう1枚メタルから選ぶとしたら、バラエティを持たせるという意味で、ブラックモアズ・ナイトの『Ghost of a Rose』。それから、『タイタニック』のサウンドトラック。

Anton Kabanenの漫画「ベルセルク」好きは有名ですが、それがBeast in Blackの世界観においても、引き続きベースとなっていることを本人も認めています。

また、1980年代の音楽に多大な影響を受けていることも、これまでの彼の楽曲を聴けば一目瞭然ですが、得てして北欧のバンドというものはその傾向が強いとも言えますね。

(今作では「ロッキー4」サントラ収録の名曲「No Easy Way Out」もカバーしています。)

Battle Beast:Noora Louhimo(Vocal)のインタビュー

・違った種類、ジャンルの音楽を混ぜ合わせて、多様性のあるヘヴィメタルを聴かせるのが、バトル・ビーストのブランドと言えるわ。

・私たちはみんな80年代の音楽が大好きなの。だから、80年代というのはバトル・ビーストにとって大きな影響源よ。

・80年代にはとても良いバンドが多いと思うの。音楽の作り方も素晴らしいし。今みたいにテクノロジーも発達していなかったから、ミュージシャンたちは本当に良い曲、本当に良いメロディを完璧に演奏しなければならなかった。

・タイトルは、簡単に言うと、「みんな自分たちの人生の物語において、自分なりのエンディングを書くことができる。それは、ハリウッド映画みたいなロマンティックなエンディングである必要はなく、自分の好きなようにしていい」ということ。

・日本は大好きだから、今年か来年にはぜひ行きたいと思っているわ。日本にはこれまでに3回行ったけれど、文化も食べ物も人々も大好きよ。日本に行くと、魔法のようなものを感じるの。

Battle BeastのVocalを担当するNoora Louhimoについては、バンドのメインコンポーザーではないのでそれほど突っ込んだインタビューにはなっていませんが、興味深い話が多いですね。

特に1980年代の音楽について、Beast in Black同様、とても大事な要素になっていることを認めています。

つまり、両バンドともに、骨格の違いはあれど、根底に流れているのは1980年代の音楽を筆頭とするポップカルチャーにあることが分かります。

2019年の新譜対決

ということで、本稿のタイトルにもありますように、両バンドによる新譜対決ですが、売上枚数などの詳細はまだ掴めていないので、セールス的なところはひとまず置いておいて、内容について。

まず、Beast in Blackの2ndアルバム「From Hell With Love」の方は前作を踏襲した内容で、各所においてしっかりとブラッシュアップが施された作品に仕上がっています。

特にサウンドプロダクションの向上はすぐに確認出来ました。

音楽性についても、1980年代らしさに拍車がかかったような、良い意味でAnton Kabanenの趣味性が爆発した内容となっています。

そういう意味では「Die By The Blade」と「True belivier」の2曲については、本作を象徴する楽曲と言えるかもしれません。

ただ、全体的にシンフォニック的な要素が控えめなので、「ベルセルク」的な世界観のわりには、少しだけ物足りなさを感じたのも事実です。

もちろんこの辺は好みというか、Beast in Blackに何を求めるかで印象は変わってくると思います。

対して、Battle Beastの5thアルバム「No More Hollywood Endings」はバンドとしての経験値の蓄積もあり、非常に安定感のある作品に仕上がっています。

Beast in Blackのように、1980年代らしさはもちろんですが、どちらかというとモダンな作風です。

それを裏付けるかのように、シンフォニック的なアプローチが秀逸でして、同じフィンランド出身の重鎮、Nightwishに負けず劣らず、高い質感を実現しています。

加えて、VocalのNoora Louhimoの歌唱力、声量がとっても素晴らしいですね。

特にパワーバラード系楽曲の「Endless Summer」や「I Wish」における説得力は流石の一言。

現在のBattle Beastの人気に、一役も二役も買っている印象を持ちました。

まとめ

結論を言えば、どちらも甲乙つけ難い、とても素晴らしい作品だと思います。

僕的には、フィンランド産HR/HM系サウンドの底力みたいなものを強く感じました。

ただ、個人的な好みとしては、ややBattle Beastの方でしょうか。

これはVocalの好みもありますが、Beast in Blackが明らかに1980年代風の味付けをしているのに対して、Battle Beastの方はあくまでも隠し味的に使っている感じなんですよ。

それによってノスタルジーよりもモダンヘヴィネスが強調されておりまして、将来性を含めたバンドの存在感をとても大きく感じることが出来ました。

とはいえ、Beast in Blackも「ベルセルク」的世界観が心地良いのは間違いないので、重ねて申し上げますが、この辺は本当にリスナーの好みだと思います。

両バンドともに、出身地も同じですし、目指している方向性も限りなく似ていますので、その辺を考慮しながら比べて聴いてみると、楽しい発見があると思います。

(従いまして、本稿では珍しく2作品を同時にレビューする記事となりました。)

フロム・ヘル・ウィズ・ラヴ【CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】

フロム・ヘル・ウィズ・ラヴ【CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】

  • アーティスト: ビースト・イン・ブラック,アントン・カバネン,ヤニス・パパドプロス,カスペリ・ヘイッキネン,マテ・モルナール,アッテ・パロカンガス
  • 出版社/メーカー: ワードレコーズ
  • 発売日: 2019/02/08
  • メディア: CD
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ノー・モア・ハリウッド・エンディングス【CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】

ノー・モア・ハリウッド・エンディングス【CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】

  • アーティスト: バトル・ビースト,ノーラ・ロウヒモ,ヨーナ・ビョルクロト,ユッソ・ソイニオ,エーロ・シピラ,ヤンネ・ビョルクロト,プル・ヴィッキ
  • 出版社/メーカー: ワードレコーズ
  • 発売日: 2019/03/22
  • メディア: CD
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いつの日か、日本でこの2つのバンドが同時に観られるイベントがあれば、最高ですね!