Idle Hands「Mana」★★★★★
アメリカのオレゴン州ポートランドから、とても面白いバンドが出てきました。
その名もIdle Handsという5人組。
彼らのオフィシャルFBには、自身のジャンルを「Trad Metal, 80's, Goth, Classic Rock, NWOBHM, Post Punk」と表記しておりますが、確かに1つのジャンルに収まり切れない音楽性が大変魅力的であります。
まずはデビューアルバム「Mana」からの音源をチェックしてみましょう。
HR/HM、特に正統派ブリティッシュメタルからの影響を強く感じさせますが、そこにゴシックの要素やパンキッシュなアレンジもあったりして、何とも独特な世界観を放っているのがお分かりかと思います。
特にHR/HM系のバンドについては、ルーツとなる歴史的参照が容易い面もあり、そこがファン歴の長い人間にとっては楽しい部分だったりもするのですが、一方で、このバンドのように様々なカルチャーを取り入れて一風変わったアプローチをしてくるのも最高にスリルがあって楽しいです。
特に僕が好印象に感じたのは、ディレイとコーラスの効いたギターサウンドです。
これは80年代AORから90年代UK Rockやメロコア、そして日本のビジュアル系を聴いてきた人には、恐らくノスタルジックな印象さえ感じてしまうかもです。
試しに「A Single Solemn Rose」や「Mana」をぜひ聴いてみてください。
Luna SeaやZikill、Up-Beat、B-T、そしてXなどを通過してきた人には、僕の言わんとしているところが何となく伝わるのではないかと期待しています。
正直、サビのメロもすこぶる良いんですよね。
(歌はそんなに上手くないんですけど。。。)
個人的には、2019年の新人賞候補で全く異論ありません。
今年の上半期No.1アルバムはSaorの新譜を推しましたが、コレも追加させて頂きます。
それぐらい、素晴らしい内容ですし、正直なところ傑作だと思います。
Saorにしろ、このIdle Handsにしろ、一聴してHR/HMの外骨格でありながらも、中毒性の高い疾走感を実現しており、それがメロウなアレンジと相まって、非常に癖になります。
悲しいことに、Idle Handsについては日本では知名度がありませんが、メタルファンに限らず、ポストロック方面が好きな人にもぜひチェックしてもらいたいと思います。
ちなみに、ポストハードコアバンドのIdlehandsとは完全に人違いですからご注意を。
今回紹介したのは、Idle Handsでございます。(スペースがあるかないかの違い。)
どちらもアメリカ産なので余計紛らわしいですね。