Valley「Maybe」★★★★★
ここ数年のインディーポップ界隈の賑やかな状況に改めて幸福を感じる今日この頃、カナダはトロント出身のValleyが待望のデビューアルバムを発表しました。
ただ、これをデビューアルバムと位置付けて良いのか、ちょっとよく分かりません。
作品を時系列でまとめてみます。
- 2016年:「This Room Is White」1st EP
- 2018年:「MAYBE - Side A」2nd EP
- 2019年:「MAYBE - Side B」3rd EP
- 2019年:「Maybe - Side C」4th EP or 1st Album
今回紹介する「Maybe - Side C」はSide AとSide Bの曲を全て収録しておりまして、そこに新曲を追加した形でリリースしています。
たぶんこれって、、、デビューアルバムですよね??
(Spotifyでは「Maybe - Side C」ではなく「Maybe」という表記になっています。)
今は情報が少ないので推測するしかないのですが、とにかく、作品そのものはエモ素晴らしすぎるクオリティなので、とりいそぎ、こちらでも紹介しておきます。
どれか1曲でも気になる曲があれば、ぜひアルバムをチェックしてみてください。
既存のバンドで言いますと、The 1975やLANY系と言えば分かりやすいでしょうか。
僕としては、1980年代のガレージバンドを彷彿とさせるような、レトロモダンでエモーショナルな作風がとても好印象でして、LANYはもちろん、この手のノスタルジック・フューチャー・サウンドは問答無用でコレクションしています。
LANY
実はこうしたインディー系のバンドはここ数年、世界各地から雨後の筍のように出現しておりまして、あまつさえムーブメントにさえなっているような気がします。
先日、素晴らしいEPを発表したThe Band CAMINOもその1つ。
The Band CAMINO
デビューアルバムが待ち遠しい、90'S KIDSもそう。
90'S KIDS
同じく、そろそろEPでも出して欲しい、Hardcastle。
Hardcastle
Hotel Apacheも個人的に期待しているバンドの1つです。
Hotel Apache
(きりがないのでこの辺にしておきます。)
その昔、UKでブリットポップのムーブメントがありましたが、それに近いようなことが、世界各地で同時多発しているような印象です。
これも音楽カルチャーのグローバル化がもたらした功罪なのでしょうか。
面白いのは1980年代~1990年代を起因とする音楽カルチャーが、今の若手にとても大きな影響を与えているという事実。
ここが昨今のインディーポップを面白くしている部分かもしれません。
思えば、HR/HMの世界でもノスタルジックかつフューチャーなサウンドが、それこそ世代を超えて支持されるようになってきました。
ジャンルは違えど、こうしたムーブメントの既視感はとても面白い現象ですので、今後とも注目していきたいと思います。
さて、本題のValleyの話に戻りますが、この記事も現時点で1200文字数を超えていますので簡潔に紹介したいと思います。
内容としては、冒頭でご説明した通り、過去作品のEPを基軸としていますので、すでに以前からチェック済みの方には新鮮味が薄いです。
また、曲順の構成もEPで発表した順番になっておりますので、アルバム全体の統一感を考えますと、若干引きが弱いかな、という印象。
それでも僕がFive Starの評価をつけているのは、楽曲の良さです。
例えば以下の5曲は突出した出来だと思っています。
- 「There's Still A Light In The House」
- 「Namedropper」
- 「A Phone Call In Amsterdam」
- 「Bailey」
- 「Nowhere Fast」
アルバムでは上記楽曲が要所に配置されておりますので、飽きさせません。
実際のところ、僕がSpotify上で毎月選曲しているプレイリストの常連でもありますから、チルポップ好きのリスナーには安心してお勧め出来ます。
(毎月10曲を厳選して公開しているNEODEAD POP MIX、最近はこちらで記事化しておりませんが、毎月最終金曜日に更新しております。以下よりチェックしてみてください。)
ということで、恐らく、デビューアルバムの「Maybe」の紹介でした。
ツアーなども精力的に活動していますので、そのうち日本でもその姿が見られるかもしれません。
最新の情報は以下の公式webよりお願いいたします。