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【Deep Trance】スコットランド出身、33歳のGrumが放つ2ndアルバム「Deep State」はここ10年の集大成的作品!

Deep State

Grum「Deep State」★★★★★

Grumこと、Graeme Shepherdが10年ぶりにアルバムを発表しました。

前作「Heartbeats」では、イタロハウスに着想を得たようなNu Discoサウンドでも話題となりましたが、その後はEric Prydzから大きな影響を受ける形で、ただひたすらにProgressive Houseの本流を突っ走ってきました。

特に「Something About You」(2015年発表)は、現在のGrumのスタイルを決定付けた楽曲としても有名です。

まずは音源をチェックしてみてください。

まるでPryda Friendsレーベルからのリリースでも全く違和感のない楽曲に仕上がっていますよね。

ちなみに、Pryda Friendsレーベルの有名曲と言えば「Let Me Feel」、、、そうです、Jeremy Olanderの伝説的にエモ素晴らしい名曲が思い起こされます。

未聴の方は、この機会にぜひチェックしてみてくださいね。

そもそも、Eric Prydzは80年代のDiscoサウンドを現代のProgressive Houseにアップデートした、シーンの立役者でもあります。

Grumにしても、Eric Prydzとは年齢が10歳ぐらい離れていますが、基本となるスタンスは非常によく似ているんですよね。

思えば、2010年代のProgressive Houseは彼らの時代でもあったと言えるでしょう。

(もちろん、Deadmau5の存在も忘れてはいけませんが、ひとまず今回はGrumに焦点を当てていきたいと思います。そして、下の画像は痩せてる頃のEric Prydzさん。)

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Eric Prydz Presents Pryda

Eric Prydz Presents Pryda

 

さて、トラックメーカーとしてのGrumも素晴らしいのですが、僕が彼を支持している理由の1つに、DJプレイの上手さがあります。

思い返せば、2015年のMinistry Of SoundでのLive Mixを聴いて、僕は彼を全面的に信頼することとなりました。

このMixを聴いたことがある人には説明不要ですが、彼のキャリアでも間違いなくトップクラスに挙げられるべきプレイ内容かと思います。

Mixの丁寧さはもちろん、構成がとても良いのです。

僕がDJ Mixにおける物語性を説く上でも、まるで教科書的な内容と言えます。

(あと、このDJ Mixを聴けば、なぜ僕がEric PrydzやJeremy Olanderの名前を出したのかが分かると思います。)

では、そろそろニューアルバムの話をしましょう。

本作「Deep State」は10曲入りのNo-Mixアルバムです。

とはいえ、各楽曲はシームレスに繋がっている印象もあり、全体の統一感はしっかりと保たれています。

僕もイントロから派手なGrum節が炸裂かと思いきや、非常に地味なアレンジが展開されており、Progressive Houseというよりは、Deep Tranceな佇まい。

この辺は世界観を重視するGrumならではの構成ではないかと思います。

エンジンがかかり始めるのは中盤の「Tomorrow」や「Home」あたりからでしょうか、Grum流のエモいシンセバッキングがボルテージを上げていきます。

(「Genesis」なんて完全にトランスしてますから、Uplifting Trance勢もぜひチェックしてくださいね。)

しかも本作は要所でVocal入りのトラックが配置されているので、飽きさせません。

特に「Running」や「Afterglow」で魅せるキックとスネアの打ち込みに関しては、これまでのGrumを追いかけてきた人にとっては、もはやご褒美のような楽曲かと。

アルバム終盤でしっかりと自分のルーツを主張するあたりに、彼の成長をも感じてもらえると思います。

それにしても、Progressive Houseに限らず、Club Musicシーンでは、毎日のように様々な楽曲がリリースされています。

そこで好セールスを記録する場合もありますが、ほとんどの楽曲は注目されることもなく、シーンに埋没しては消えていきます。

(本来、DJとはそうした楽曲に陽の目を当てる仕事でもありました。)

そうした夥しい楽曲群の中にあって、Grumのサウンドは常に注目を集めてきました。

これもひとえに、彼の才能と努力の賜物ではないかと推測します。

そして2020年という節目を前に、この10年間の集大成的なアルバムを発表したことにも、感慨深いものがあります。

もしかすると、このアートワークのデザインも、将来を見据えた彼のひたむきな想いがあるのかもしれません。

(個人的には、Xtravaganzaへのオマージュではないかと思っています。ハイ。)

Deep State

Deep State

 

ということで、今宵はGrumの最新作の紹介でした。

DJ Mixについて、もう少し話したいこともあるので、近いうちにまとめます。

題して「DJ Mixとは、自分の物語をつくること。」

お楽しみに。