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【書評】2020年2月の読書記録まとめ【6冊】

2020年2月の読書記録。

今月は読書量が大幅に減ってしまいました。

恐らく原因はブログでのアウトプット量が増えたせいですね。

2月は13本の記事を書いていますが、今年からは、今まで以上に読まれた方が満足してもらえるよう、内容をよく精査するようにしています。

義務や仕事ではなく、趣味でやってますので費やす時間に限界はありますが。

それでは、読んだ順に並べます。

 

「花粉症は治る病気です: 毒を以て毒を制す、アイゾパシー療法」

個人的に、舌下免疫療法を1年近く継続しているので読んでみた本。

アイゾパシーなるものの正体が分かりやすく書かれているものの、歯科のインプラントのように比較的新しい治療法となるので、治験のデータは今後に期待したいところ。

花粉症は国民病であるし、公害とまで言われている時代。
それでも昨年、健康保険組合連合会が花粉症に効く抗アレルギー薬全般の保険適用外を提言したのは、保険料だけでは増大する医療費に対応出来ないことを示唆している。

だからこそ、こうした免疫療法はもっと注目されるべきだ。
これまでの医療のほとんどが対症療法であるのに対し、免疫を付けて病気に強い身体を作ることは予防医療の根幹とも言える。

他方、遺伝子検査が一般化すれば多くの「未病」についても個人レベルで迅速に対応することが出来、結果的に医療費は抑えられることになるだろう。

しかし、対症療法で利益を得ている既存の医療機関及びそこに従事する関係者の反発は予想に難くない。

そのため、一律3割負担の現行社会保険制度に自動車保険のような段階的負担率の導入など、思い切った改革が必要である。

安易に増税するだけでは、この少子高齢化社会を持続させることは出来ないはず。

 

「私たちは洋楽とどう向き合ってきたのか――日本ポピュラー音楽の洋楽受容史」

日本における洋楽の存在意義について考察した一冊。
著者は複数おり、各々のレポートが面白く、最後まで楽しく読めた。

ジャズ、ロック、そしてヒップホップというアメリカが産んだ3大音楽カルチャーを軸に、日本の音楽市場の在り方を模索出来るところもいい。

特にブルデュー理論からの考察は大変興味深く拝見した次第。
音楽批評に携わる関係者なら、この指摘は見逃せないだろう。

 

「猫にGPSをつけてみた 夜の森 半径二キロの大冒険」

タイトルに興味があって手に取ったものの、なかなか本題に入らない。
終盤までブログみたいな日記が続き、写真も素人レベルで驚いた。

野良猫の生態は海外のドキュメンタリーでも観たことがあり、そこに興味があったのに残念。

個人的には、野良猫の保護や去勢手術、保健所と連携してエサやりの注意喚起や地域猫との関わり方などを実際に模索して行動に移しているので、そういう意味ではあまり得るものがなかった。

ただ、著者が猫好きなことはよく分かったし、国東半島が素晴らしい場所であることについては全くその通りだと思う。

 

「音楽化社会の現在―統計データで読むポピュラー音楽」

アンケートのデータを基に、社会における音楽の意義を研究した一冊。

アンケートは主に若者をターゲットにしているので、音楽文化=若者という構図がしっかりと背景にあり、そこから導き出される推論や考察も、興味深く眺めた次第。

個人的には、音楽聴取スタイルの地域差について、少々説得力の欠ける内容だったように感じた。

確かにブラックミュージックとヤンキー文化の関わりは否定出来ないものの、それが総てではないし、もっと他の要因があるように思えてならないのである。

 

「橋をかける」

美智子さまの読書に対する視点、論点が素晴らしい。

また、「他国を知ろうとする時は、まずその国の神話や伝説、民話等に関心を持つ」という金言にも出会える本。

様々な読書に関する書籍がある中で、簡潔で情緒豊かにその重要性を説かれているところに、この本の価値がある。

惜しむらくは、第三者による解説が半分を占めている点。

 

「ロックフェスの社会学:個人化社会における祝祭をめぐって」

著者による博士論文を加筆修正した本書。
フェスを社会学として捉えた貴重な一冊である。

個人的に興味のある「フェスとクラブの相違点」や「音楽と政治の関係性」など今の音楽化社会を読み解く上で、そのヒントとなる点が多く、有意義な知見を得ることが出来た。

音楽イベントに従事する方にはもちろんだが、社会学に興味のある方にも一読を勧めたい。

 

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